Tokyo University of Technology Nodake-lab

美肌菌の機能性を活用した新規スキンケア法の構築と応用

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市場に溢れる多様な基礎化粧品の中から、個人の肌質に最適な基礎化粧品を探し出すことに成功している幸運な女性は、どの程度存在するのでしょうか?「より美しくなりたい」、「健やかな肌でありたい」という願望は、女性にとって生涯向き合い続ける課題である反面、労力や経済的負担に見合わない結果に至ることの方が遙かに多いという現状があります。したがって、「スキンケア効果を確実に得ることができ、かつ、その効果が長時間継続する」と謳う新たな基礎化粧品が登場した場合、世界中の多くの女性が関心を示すことでしょう。また、その画期的な基礎化粧品が使用者個人の肌質に適った「オーダーメイド型」の製品であれば、女性の美への追究心を尚更刺激するでしょう。さらに、極度の乾燥肌や皮膚の荒れ、ニキビやアトピー性皮膚炎等に代表されるように、年齢や性別を問わず肌質の改善が社会問題化してもいます。

このような社会のニーズを受け、当研究室では「確実かつ長時間継続するスキンケア効果」および「オーダーメイド型」をキーワードとする新規基礎化粧品の開発研究を開始しました。その取り組みの中で皮膚健康の維持・増進に大きく寄与する表皮ブドウ球菌の一種(Staphylococcus epidermidis、「美肌菌」と呼ばれています)に注目し、この微生物によってもたらされる美容効果の利用こそが新規基礎化粧品の誕生の鍵となると考えました。すなわち、「皮膚上に定着する美肌菌数を意図的、かつ継続的に増加させて美肌菌生産物質の量的な押し上げを図った場合、より一層のスキンケア効果をより確実に享受できる」と考え、この戦略に基づいた研究から以下の成果を得ています。

① 皮膚常在菌の採取、遺伝子解析に基づく美肌菌の選抜、培養、凍結乾燥等の実験手法を組み合わせ、「被験者から採取して人工的に増大させた美肌菌を、その個人の顔部へ反復塗布して戻し、より多くの美肌菌を皮膚に定着させる」という画期的な新規スキンケア法(”美肌菌戻し法”と命名)を構築しました。

② 美肌菌戻し法によって、皮膚から検出される美肌菌数が増加することが明らかとなりました。

③ 皮膚の状態を反映するパラメーターの解析から、美肌菌戻し法によって皮膚上のグリセリン量が増え、皮膚の保湿が顕著に改善されることが判明しました。また、皮膚上の一部の有機酸量も増加し、皮膚の弱酸性状態が改善されました。皮膚の弱酸性化は、セラミド合成の促進や黄色ブドウ球菌の増殖抑制に対しても有利に作用します。

④ 美肌菌は、黄色ブドウ球菌に対する抗菌物質や活性酸素種に対する消去酵素を産生することから、美肌菌戻し法が皮膚の感染症予防やアンチエイジングに対しても効果を示す可能性が示唆されました。

現在では、自分の美肌菌を直接的に活用した世界で初めての「オーダーメイド型基礎化粧品」の開発にも成功し、最新のスキンケア法としてその斬新さが広く脚光を浴びるに至っています。また、アトピー性皮膚炎に対する美肌菌戻し法の応用研究や美肌に関連する新たなスキンケア法の開発研究にも奮闘中です。

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