Tokyo University of Technology Nodake-lab

乳酸菌生産物質や発酵食品が示す有用作用の解析

  • HOME »
  • 研究内容 »
  • 乳酸菌生産物質や発酵食品が示す有用作用の解析

特定保健用食品や機能性表示食品の普及に代表されるように、「食を介した予防医学」に対する意識が高まっています。なかでも、腸内細菌の制御や健康増進に対する乳酸菌の有用性が謳われていることから、高い健康機能性を示す乳酸菌株の探索や新たな乳酸菌発酵食品の開発に関する研究が脚光を浴びています。このような背景から、当研究室においても、早くから乳酸菌や乳酸菌発酵食品の有用性に関する研究に取り組んできました。特に、今後の発展が期待されている研究分野の一つである「バイオジェニックス」に着目しています。バイオジェニックスは「微生物の代謝を介して産生された物質」と定義され、生体や腸内細菌叢に直接的に作用できることが大きな利点の一つとされています。プロバイオティクスとは異なる観点から「食を介した予防医学」を目指すことができると考えています。

当研究室では、Lactobacillus 属を中心とする16種のヒト常在乳酸菌から構成する独自の複合培養法を開発し、この手法によって豆乳から新規の乳酸菌発酵生産物質 (乳酸菌発酵ろ液) の調製に成功しています。本乳酸菌生産物質は製造工程の最終段階において乳酸菌体を除去するため、バイオジェニックスに分類されます。これまでに実施した本乳酸菌生産物質に関する培養細胞株への作用実験、実験動物に対する摂取実験及びヒトに対する臨床試験等から、本乳酸菌生産物質が、① 腸内細菌叢を構成する善玉菌群の比率を高めること、② 細胞内活性酸素レベルの増大を介してガン細胞特異的にアポトーシスを誘導し、ガン細胞の増殖を抑制すること、③ 脂質合成系遺伝子の発現を抑制し、脂肪細胞への脂質の蓄積量を顕著に減少させること、④ アレルギー症状の慢性化に関与するサイトカインやメディエータータンパク質への作用を介して、アレルギー症状を低減化すること、⑤ 薄毛モデルマウスの発毛を促進し、薄毛症状を改善する作用を有すること、等を明らかにしています。

また、⑥ 肝障害因子(アルコール・ウイルス・薬物等)による壊死から肝実質細胞を保護するともに、肝星細胞のコラーゲン産生を抑制して、肝機能の改善に効果を示すこと、を明らかにしています。肝障害因子は両細胞内で活性酸素種の異常発生を誘導しますが、⑦ 本乳酸菌生産物質が細胞内活性酸素量を制御し、両細胞の形態学的変化を抑制すること、も実証しています。このように、本乳酸菌生産物質が示す生理作用上の特性や含有成分によってもたらされる作用機序に関連するエビデンスを数多く蓄積してきました。最終的には、私たちの食生活に乳酸菌生産物質の摂取を取り入れ、健康な状態で生活できる期間(健康寿命)の伸張に貢献することが目標です。

PAGETOP
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.